屋外で国産材の耐久性能を向上させる方法

(設置後27年経過した高速道路の間伐材遮音壁)

国産材は朽ちることから外部での利用には不向きとされていますが、適切な防腐処理を行い、雨水が流れ落ちる縦使いをすることにより、国産材(杉・桧)の耐久性能を向上させることが可能です。

栃木県の公共施設の木質化事例

国産材の屋外利用では最も実績の高い技術が、防腐剤加圧注入処理です、国産材の杉桧は育ちがよいことから組織が粗く、水を含みやすいことから菌類や虫類の繁殖が旺盛で、そのため朽ちやすいのですが、組織が粗いことはが、防腐剤加圧注入処理には非常に有利に働き特に育ちの良い杉材は、最も防腐効果が高い樹種となります。27年前に設置された東北自動車道の大谷PAに設置された間伐材遮音壁は、杉材にタナリスCYの防腐剤加圧注入処理を施したもので、施工長さが400mになりますが、いまだに朽ちた所がありません。

上の写真は、大谷の間伐材遮音壁とほぼ同時期に設置された、日光市にある温泉施設の間伐材の目隠し壁ですが、雨掛になる上部の木材は朽ちてしまっています、木材の横使いは雨水が残留ししまい朽ちやすくなってしまいます。材種は杉材ですので、大谷の遮音壁とほぼ同じで、材料の大きさもほぼ同じ大きさです。

組み立て加工後に丸ごと防腐処理で耐久性能の向上(クロスポール工法木組)

2024年1月1日に能登地方で大規模な地震が発生し、多くの建造物が倒壊しました、その中にはブロック塀も含まれブロック塀の危険性が改めて実証されてしまいました。

2018年に大阪府北部地震が発生し、公共施設である小学校のブロック塀が崩落し、小学生が犠牲者となりブロック塀の危険性が問われ、多くの自治体でブロック塀の点検が行われ、林業の盛んな栃木県では、公共施設のブロック塀や石積塀の木質化プロジェクトが行われ、その時に自社の案が採用され、栃木県庁塩谷庁舎の大谷石塀の上部を木製の塀としました。

右側の写真は、中禅寺湖畔にある日光博物館の独身寮のブロック塀を、木製フェンスにリニュアールした写真です、通学路にブロック塀が面しており、老朽化したブロック塀が危険なために、栃木県がリニュアールを行ったものです。

大谷PA

クロスポール工法ウッドフェンスの説明動画